並木会BLOG

茨城県南地区技術科教師有志の会_活動報告
2008-03-01
「ICタグの授業」子ども達とこれらかの技術を考える授業お知らせ
谷田部東中学校技術担当です。

学び合いを取り入れた情報通信ネットワークの授業について,なんとか公開できるレベルになったと思うのでここに公開します。みなさんの刺激になれば幸いです。県南地区でも情報通信ネットワークについて関東ブロックで担当になっていることもありますし,この内容が,その授業計画に少しでも貢献できたらなと思って書きます。

谷田部東中学校では,技術教育研究会から出版されている「ためしてわかる通信とネットワーク」という冊子を使って授業を進めています。私もその編集代表の一人です。

1時間目 ベルの電話機の再現実験,スピーカー発電など
2時間目 パソコンでの電気信号観察,サウンドレコーダー実験
3時間目 手作りスピーカーの製作
4時間目 アンプを用いた増幅実習,入出力の違いの解説
5時間目 光通信実験,リモコンの赤外線通信を音に変換
6時間目 交換手になって電話をつなげる実習
7時間目 電信柱を立て,教室中の電話をつなげる実習
8時間目 匿名ネット体験(実はLOGにIPアドレスが残されている)
9時間目 IPアドレス,URL実習
10時間目 通信ネットワークに関するレポート作成
11時間目 〃
12時間目 〃
13時間目 班ごとにレポート交流会
14時間目 班代表者によるレポート発表会

この14時間の授業は,5年前に前任校で,県南地区の授業研をおこなった時に公開したものです。7時間目の電信柱を立て,教室中の電話をつなげる実習を公開しました。しかし,これだけでよいのかという思いが当時からありました。そこで谷田部東中に赴任してから,さらにその先の授業をつくりはじめました。現時点でのその先の授業が下記の通りです。

15時間目 ★ICタグの利用方法を考える
16時間目 未来の技術(班ごとに未来の黒板のアイディアを考え発表する)
17時間目 未来の技術(それぞれに50年後の技術を考えてレポート作成)
18時間目 未来の技術( 〃 )
19時間目 レポート交流会(※まだ,実施していません)


★ICタグの授業
 ICタグをご存じでしょうか。RFIDなどともいわれることもあります。イメージするためには,SuicaやEdyなどの電子マネーや切符などになるカードを1mm角のチップにしたものというのが分かりやすいでしょうか。まだ実際に利用されているものは少ないようですが,これから爆発的に普及するといわれる技術です。バーコードの代わりになるとも言われています。1mm角のチップの中に,超小型のコンピュータと電波を受けた時にだけ電源を供給する仕組みが仕込まれています。教室の隅にセンサーを設置すれば,教室にいる生徒全員の名札に取り付けられたICタグの情報を読み書きできるといえばイメージが伝わるでしょうか。情報通信ネットワークの究極の姿,ユビキタスの世界をイメージさせるために最適の課題です。

 授業では, このページを印刷して配り(授業で用いる複製は,認められています。)ICタグの簡単な解説をした後に,手元のノートPCにSuicaをかざしてそのログを見せます。何年何月何日に,どの駅からどの駅に乗ったという記録が,ずらずらずらと出てきます。普段気にしていませんが,Suicaにはログが記録されています。これをJRは分析するだけで,いろんな情報が得られそうですね。

 そして「ICタグはどのようなことに使えるだろうか?」とふります。3〜4分個人でじっくり考えさせた後,4人組をつくらせ,班で意見交換させます。生徒の発想は柔軟で実に様々な活用例がでてきます。クラスによってもかなり違うので,他のクラスででてきたおもしろい活用例などは,教師側からも伝えます。下記がその時のあるクラスの板書です。

タイトルだけを代表に書いてもらって,机を元に戻し考えた生徒にその内容を解説してもらいます。

・落とし物の管理
・電子カルテを携帯する
・レストランの近くにくると自動的に宣伝が入る
・生まれたらすぐ全ての人間に埋め込む
・犯罪を犯した人に埋め込まれる

間違いはないので,生徒達が自由に考え発言できるのもいいです。教師はその考えをもとにしながら,さらにそれを発展させることを考えて補足を入れていきます。生徒達が考えていたことで実は既に実験が始まっていることが数多くあります。もう実験ではありませんが,既にパスポートにもICタグが入れられるようになっています。将来はSuicaと同じように入国審査なんていうこともあるかもしれません。

ポイントは「管理」です。管理するか,管理されるか。コンピューターがいたるところにある社会では,個人情報をどこまで公開するのか,公開しないのかそうした判断が求められることが,この活動をした後ならばはっきりとわかります。そして,この技術をハッキングなどを用いて悪用する人が現れた時の対策まで考えさせることができます。

参考資料
・ユビキタス・コンピュータ革命―次世代社会の世界標準,坂村健
・ユビキタスとは何か―情報・技術・人間 ,坂村健

追伸:
このICタグの授業に続く「未来の技術」については,idea共有サイトにて順次公開していく予定です。こちらもよろしくお願いします。
Posted by namiki at 16:49:13 on 2008/03/01
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